はやり目とはアデノウイルスというウイルス感染により引き起こされる角結膜炎の一種です。
このウイルスは感染力が非常に強く、流行性角結膜炎と呼ばれています。
ウイルスが付着したもの(例えばタオル、ドアノブ、つり革など)に触れた手で目を触ることで
感染すると言われています。
感染後1~2週間の潜伏期間を経て、以下のような症状があらわれます。
- 充血、ゴロゴロ、眼の痛み、まぶたの腫れ、流涙、発熱、リンパ節腫脹etc
- 角膜に炎症が生じた場合は、まぶしさや見えにくさを感じる。
当院では、はやり目の可能性が考えられる患者様には眼の所見に加え、周囲の流行状況
耳前リンパ節腫脹の有無などをお伺いしています。診察ではウイルスの存在を確認する
キットを使用する場合もあります。この検査で陽性が出れば間違いなく、はやり目です。
しかし陰性だからといって、はやり目を完全に否定することはできません。
アデノウイルスには効果のある特効薬がありません。メヤニ、充血などの症状に対しての
対症療法となり、抗炎症剤やステロイド、細菌の混合感染が疑われる場合は抗菌剤の
点眼が処方されます。
はやり目に感染した時は感染拡大を予防することが大切です。
アデノウイルスは感染力が非常に強く、容易に周囲へ感染が拡大するので
幼稚園、保育園、学校、病院などの環境においては十分な注意が必要です。
家庭内では感染者とタオルを共有せず、感染者の入浴は最後にし
こまめな手指消毒を心がけましょう。
流行性角結膜炎は周囲への感染力がなくなったと医師が判断するまで
登園、登校が出来ない疾患です。
大人の方も感染を広げないためにお仕事の内容によっては出社を控える
必要があります。
充血、眼脂にはほかにも細菌性結膜炎やアレルギーによるものもあり
そのような症状が見られた時はご自身で判断せず、眼科を受診し診断を受けるようにしてください。